初心者からカメラを始めてみよう!「カメラの基本をマスター」
カメラを始めてみよう!
これからカメラを始めてみたい!カメラを買ったのに、インスタに上がってる写真のように綺麗にできない!と思ってる人いませんか?
最近のカメラはオート機能が充実していて、スマホのようにシャッターを押すだけで手軽に撮ることができますが、自分で設定できるようになればもっといい写真が撮れ、さらにカメラを楽しむことができます!
分厚い説明書を見るのは嫌気がさしますが、カメラはこれから話すポイントを押さえないと面白みに欠け、旅行の時にだけ連れ出すオモチャになってしまいます。
この記事を見つけた方は、写真を上手く撮ろうという前向きな意識があると思います。
その前向きな気持ちを持ったことは素晴らしいと思うので、少しだけカメラのお勉強をしましょう!!
ツイッター・インスタやっているので、気になる方は是非。
大分県をメインに活動しています!!
依頼等お待ちしています!!
さて何を勉強するかというと、押さえるポイントはまず3つ!
⒈明るさ(露出)
⒉焦点距離(レンズ)
⒊色温度(ホワイトバランス)
大事な順番に並べています。
このうち一番とっつきにくいのが、明るさ!
逆に言えば、写真はこの明るさの部分をマスターすればかなり面白いということです。
ちなみにオートで撮ると、これらの設定は全てカメラ側で自動でしてくれます。
では、なぜ自動ではダメなのか?それは自分が思ったように、もしくは見たままに写真を写すことができないからです。またこの明るさの調整がカメラの醍醐味でもあるのです。
⒈明るさ
分かりやすく明るさと言っていますが、カメラの用語としては「露出」と呼ばれています。(以後、露出と記載します)
露出がなぜ1番とっつきにくいかというと、露出を決定するパラメーター(設定項目)がなんと3つもあるからなんです!!
写真が暗い時、明るさを+1したいと思っても、明るさボタン1つでチョチョイと調整することができないのです。
「f値」「シャッタースピード」「ISO感度」の3通りの設定値を変えないといけないのです。(逆に、明るくしたい時は3つのアプローチがあると言うことです。)
この3つの「f値」「シャッター速度」「ISO感度」を制するモノが写真を制すると言っても過言ではありません。さてそれぞれ説明していきましょう。
まず写真を明るくしたい時、どうすればいいと思いますか?
デジカメというのは、レンズで光を取り込み、センサーに集めることで記録しています。
なので、取り込む光を多くすること、取り込む時間を多くすること、センサーの感度を上げる(電気的な信号をアンプリファイ、増幅させること)で写真を明るくすることができます。
それぞれ
取り込む光を多くすること→f値
露光時間を長くすること→シャッター速度
センサーの感度を上げる→ISO感度
と対応しています。
f値について
という定義があります。ちょっと難しいですよね。レンズの仕組みを理解していないと、なかなかピンときません。f値はセンサーに入ってくる光の量を反映した数値です。
f値は、絞りをコントロールすることで変わります。(実際は絞り=f値とほぼ同義として扱われます。)
f=1.4
f=16
ソニーのサイトから取ってきました。レンズには絞り羽根というものがあり、物理的に光を遮ることで暗くします。逆に明るくするには”絞り”を”開いて” (=f値を小さくする)撮影します。
f値は1から始まり、1,1.4,2,2.8,4,5.6,8・・・と続きます。(光学的に光量を二倍にするため、√2=1.4倍刻みになっています。ちょっと難しい笑)
f値は実は、写真の大事な要素である”ボケ(bokeh)”にも関わっています。というかボケ味を変える数値としての側面のほうが強いです。カンタンに言うと、f値が小さいとボケやすくなり、一眼っぽい写真が撮れるようになります。ここらへんはややこしくなるので、またf値の解説を別の記事でしようかなと思います。
またf値と後に述べる焦点距離は、だいたいレンズ前面に書かれています。
f値と焦点距離はレンズの代表的なスペックなので、レンズを選ぶときにまずチェックする項目です!!
上の画像だと
DT=レンズの種類
SAM=オートフォーカスの種類
φ49=口径 となります。
ここでいちばん大事なのが、1.8/50の部分です!
f値は小さい数値から始まり、絞りによって大きくすることができるので、そのレンズの一番小さいf値(開放f値という)がレンズのスペックに表記されます。
一般的には、開放f値が小さいレンズほど高くなります!
またレンズは、前面に表記されている文字以外にも、名前だけでスペックがすぐ分かるようになっています。
例えば、SONYのレンズだとSEL50F18という名前のものがあります。
これは
SEL=sony E mount Lens
50=焦点距離50mm
F18=f1.8・開放F値が18のレンズはない(暗すぎる!)ので、自明的に1.8となる。
またCanonのレンズだとEF24-105mm F4L IS II USM
これは
EF=Canon EFマウント
24-105=24〜105mmのズームレンズ、焦点距離が24-105mmまで使える(後述)
F4=開放f値は4
L=高級レンズだよ!!
IS=レンズ内手ぶれ補正付き
Ⅱ=2世代目だよ!(ということは一代目24-105mmレンズがあったということ)
USM=オートフォーカスの種類
という風に名前だけで分かるようになっています。
最初のSEL、EFや焦点距離の部分はまたあとで解説します。
SEL85F14GM(85mmの単焦点レンズ、開放F値1.4)
シャッター速度について
f値の項目で頭いっぱいになったかと思いますが、シャッター速度(以下SSと表記)はカンタンです。
文字通りシャッターを切る速度です。
カメラはセンサーに光を当てて撮影します。基本的にシャッターを切るまでセンサーに光は当たりません。シャッターボタンを押すと、シャッターが開きます。シャッターが開いてセンサーに光があたっている時間のことをSSといいます。
時間と言っても、一瞬でだいたいは1/100秒など分数で表示されます。
だいたい1/10秒くらいから動いている人がぶれます。また手ぶれ補正のないレンズ・カメラだと手ブレのせいでブレブレ写真になってしまいます。
SSを長くすれば長いほど(=露光時間が長いほど)明るい写真が撮れます。
実際には、暗い場所では手ブレをしない程度のギリギリのSSに設定することが多いです。
またSSの特殊効果として、長時間露光と言い、5秒や1/10秒など長めに露光することで動いてるものの躍動感を表現したり、星のような人間の目にギリギリ見えるかどうかの光を増幅することができます。
SS=1/10秒で撮影(手持ち撮影)
SS=10秒で撮影(三脚を使って撮影)
SS=5秒で撮影(三脚を使って撮影)
このようにクルマや人の動きを捉えてみたり、暗い花火を撮影することができます。
ISO感度について
ISO感度は、元々あるフィルムがどの程度弱い光まで記録できるかという基準値でしたが、デジタルカメラではセンサーがどれだけ情報を増幅するかという目安の値になります。
ISOはだいたい100〜25600まであります。数値が小さいほど高画質ですが、暗くなります。逆に感度を上げると明るくはなりますが、その分ノイズが目立つようになります。
私個人の感覚では、暗くない限りはISO=100で撮って、ギリギリまで明るくさせるときは3200までが限界だと思っています。(それ以上はノイズが目立ちます。)
さて明るさは以上のf値・SS・ISOの3つで協調的に決定されます。
だいたいは、f値→SS→ISOの順番で決めます。
気持ちとしては、ボケがほしいからf値を小さくしよう→SSはブレない程度に明るく→それでも暗いときはISOで補正。といった感じです。
レンズメーカーのホームページなどでは撮った写真にだいたい使用レンズ名・f値・SS・ISOが記載されていることが多いです。
α7R, FE24-70mm F4, 24mm, F22, 1/4秒, ISO50
(糸島美人フォトコン銀賞作品)
といった具合に、どのカメラ・レンズで撮影したか、焦点距離、F値、SS、ISOを併記することが多いです。 (ちなみにこの作品、NDフィルターがなかったため、普通は使わないF22という値を無理やり使っています。)
焦点距離
先程レンズのスペックの話をしました。
焦点距離は小さければ小さいほど広く撮影できます。逆に遠くのものを捉えるには300mmなど焦点距離が大きなレンズが必要になります。
24mmで撮影
85mmで撮影
同じ場所で2つのレンズで撮影。85mmのほうが、大きく写っていますね。
景色を広く写すには24mm以下が、逆に人を撮るには50mm以上がいいと言われています。(一般論ですので、好きに撮ることはできます。)
また、レンズはズームレンズと単焦点レンズに分けることができます。ズームレンズでは焦点距離を変えることができ、近くのものから遠くのものまで撮れます。反面、単焦点レンズでは焦点距離は一つに限られていて画角を変えるには自分が動く必要があります。
と聞くと、ズームレンズのほうが良いように思えますよね?ところがどっこい、ズームレンズは開放f値が大きい傾向にあります。また単焦点レンズのほうが画質がいいことが多いです。
よくカメラを買うとついてくるキットレンズは28-75mm(f3.5-f5.6)というもの。これは焦点距離が28-75mmと変えることができる、またf値が焦点距離によって変わるということを示しています。
そうです、レンズの制約によってf値が焦点距離によって変わるのです!!
広角の28mmではf3.5、75mmではf5.6になってしまいます。
85mmで撮影
キットレンズでは、景色・人・ブツ撮りなんでもできますが、作品撮りに使うことは滅多にありません。カメラを買ったのに、インスタで見るようなハッとさせられるような写真が撮れない!!というのはおそらくキットレンズによるところではないでしょうか?
キットレンズの良いところは、万能で、旅行に最適だということです。しかし作品撮りには向いてないのです。(相当腕がある人なら使いこなせる??)
プロの場合、より高性能なズームレンズか単焦点を何本か持っていることが多いです。
撮るものによって、だいたいこのレンズがいいというのがあります。
例えば、人なら50mm,85mm(光の魔術師ことイルコさんなど105mmを使う変わった人もいます笑)、スナップ・テーブルフォトなら35mm,24-70mmズームレンズ、鉄道・飛行機なら70-210f2.8,100-300、絶景なら16-35mm,12-24mm,24mm、星ならf2.8以下でないと厳しいなどなど
ただこれはもちろん一般論なので、ぜんぜん違うレンズを上手くこなしている人もいますし、ズームレンズ派・単焦点派も様々です。
そのレンズでどんな写真が撮れるかは、メーカーのホームページ、もしくはインスタのタグで調べると雰囲気がわかりやすいと思います。
カメラ初心者であれば、キットレンズの次に50mmや35mm付近の値段がそこそこな単焦点レンズを買えば結構カメラが楽しくなるはずです!
α7Ⅲ, FE24-70mm F4, 24mm, F10, 1/320秒, ISO100
色温度について
人間が見る景色は、脳で処理されています。それ故に実際の色味とは異なります。特に人間は白の物体を白として捉える傾向にあります。
どういうことかというと、壁などの白い部分に室内灯のオレンジが当たった時、実際の世界は強いオレンジ色が反射されて目に映るはずです。しかし脳内で処理され、できる限り壁の白に近いように頭が再構築するのです。
デジタルカメラは色を現実世界に忠実に再現するので、人間が見た景色より青みがかったりオレンジ色が強かったりします。
それを人間が見たように近づけるのがホワイトバランスです。
白色を人間が見たように調整するのでホワイトバランスと呼ばれます。
(よくホワイトバランスを明るさなどと勘違いする人がいますが、全くの別物です。)
以下にホワイトバランスのシュミレーションをしています。
室内の温色系のライトの影響で、オレンジになっている
蛍光灯により青みがかっている
私達が考える”正しい”白色
またホワイトバランスは、写真の味付けにも使われます。
特に個人的には、夜景などを青めに設定することが多いです。
元画像
ちょっと赤みがかっている。ホワイトバランス的には正しい(後ろの壁紙がキチンと白色になっている。)
作品
すこしオレンジ色に寄ることで温かみを出している。
WB(ホワイトバランス)はカメラでは、オートとその他シーンに合わせたプリセットがあります。個人的には、オートで撮ってあとでパソコンで修正することのほうが多いです。
WBに正解はないですが、極端だと、部屋がオレンジ色っぽくて良い写真に見えない!!ということが多いので、写真の色が気に入らない場合、まずWBをイジることをおすすめします!!
最後に
さて、ちょっと長く難しい話ですが良い写真を撮ろう!と思ったら避けては通れない露出・レンズ・WBの話をしました。
最近のカメラは高性能でオートでも十分キレイに撮れますが、人目を引く写真を撮ろうと思うと、こういった基礎的な部分を押さえて、ある程度”正しい”写真の撮り方を知っておくと上達が早くなります。
もちろん、高性能なカメラによって感性による部分が近年大きくなっていますが、構図や現像より前に、カメラという機械を正しく使えることも大事だなぁと感じるこの頃です。普通の人が普通に写真を上手くなるには、どうしても上記の知識を入れる必要があると思っています。
・初期のSEL2470Zメインで撮った写真たち
・フィルムもたまに触ります。
・APS-Cとフルサイズの違いを簡単に説明した記事